脊髄梗塞についてまとめます。

 脊髄梗塞とは、脊髄に血液を運んでいる血管が詰まる病気です。血液は酸素や栄養を含んでいるので、血管が詰まると脊髄に十分な酸素・栄養が運ばれずにさまざまな症状が出てきます。

 脊髄とは、背骨の中を通っている中枢神経です。脳からの運動指令や体の感覚情報は脊髄を通って脳と体を行き来しています。脊髄は首から腰まで縦長の大きな神経です。輪切りにすると以下のようになっています。

 黄色は脊髄の前側です。後ろ側には後索という青く色をつけた部分があります。
 脊髄梗塞では脊髄の前側が障害される「前脊髄動脈症候群」が最も多い病型です。上のイラストでは黄色の部分の障害となります。
 この部分には神経の通り道がたくさんあります。


皮質脊髄路は脳からの運動指令を手足へ伝える神経路です。これが障害されると運動麻痺となります。
外側脊髄視床路は熱い・冷たいなどの温度や痛みの感覚を脳に伝える神経路です。これが障害されると感覚障害が出現します。

前脊髄動脈は黄色の部分に血液を送っているので、この動脈が詰まると神経路が障害され、運動麻痺や感覚障害、自律神経の障害としては膀胱直腸障害などの症状が出現します。

この病気の治療法は確立されておらず、保存的治療、対症療法を行うことになります。
動脈硬化はこの病気の原因になりうるため、生活習慣を整え、予防に努めましょう。

*この記事は医療従事者向けではありません

おすすめ記事